Last Updated on 2024年11月5日 by mhci
ZEH(ゼッチ)住宅というのは、端的に言うと省エネ住宅のことです。
国全体で推奨している取り組みであり、経済産業省は2020年までにハウスメーカーなどが手掛ける新築の注文戸建住宅の半数以上で、さらに2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すという政府目標を掲げています。
その達成に向けて必要な課題や対応策をまとめた「ZEHロードマップ」も示されており、国全体で力を入れている取り組みのひとつと言えます。
一方で、すでに過ぎてしまった2020年地点の目標値を概ね達成できているのは、大手ハウスメーカーに限られているのが現状です。
一般工務店を含めた全体としては目標の半分にも未だ至っていません。
その要因にはさまざまのものが考えられますが、特にそもそもその存在を知っている人が未だに多いとは言えないこと。
知名度の低さも大きく影響していると言われています。
そこでここでは、改めて国が推奨するZEH(ゼッチ)住宅の特徴を徹底紹介します。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称
そもそもZEH(ゼッチ)というのは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
そして、日本語でその内容を説明すると、「使うエネルギー」より「創るエネルギー」の方が多い住宅のことを意味します。
なお、もう少し厳密な説明すると設計一時エネルギーの消費量と家で創り出せるエネルギー量の収支がゼロ以下になる住宅のこと、というのが正しい表現です。
ただ一般的な理解としては「使うエネルギー」より「創るエネルギー」が多い家という理解で十分です。
ZEHであることが認められると補助金を受けることができる
そんなZEH住宅は、ZEHであることが認められると補助金を受けることができるのも特徴です。
ただ、補助金を受けるためには、細かい要件をすべて満たさなければなりません。
そして、その際にポイントとなるのは「断熱」・「省エネ」・「創エネ」という3つの観点です。
断熱
このうち断熱については、一般的な住宅より外の暑さや寒さの影響を受けにくい性能が備わっている、というものが求められます。
要は、断熱材や窓に高い遮熱性能が必要という意味であり、その結果冷暖房に使うエネルギーを大きくおさえることができます。
なお、その際には酷暑や極寒を我慢する必要は一切ありません。
効率的にエアコンがよくきくZEH住宅であれば、省エネでも快適に過ごすことができるようになるためです。
しかも、住宅内全体で生じる温度差自体も小さくなるので、ヒートショックのリスクが減るのもZEH住宅ならではの特徴であり魅力です。
省エネ
また、「省エネ」に関しては住宅内で消費されるエネルギーと太陽光発電などで創り出すエネルギー量の両方を確認することができる「HEMS(ヘムス)」というシステムが必要、というものです。
また、システムの導入に加えて省エネタイプのエアコンや少ないエネルギーでお湯を沸かすことができる効率的な給湯システム、消費電力量が少ないLED照明の導入なども合わせて行う必要があります。
創エネ
さらに、ZEH住宅の認定にもうひとつ重要となる要素「創エネ」は、その名の通り太陽光発電システムなどを駆使した再生可能エネルギーシステムの設置が必要、というものです。
しかも、この創エネで創り出すエネルギーの総量が消費するエネルギーを上回る必要がある点には注意が必要です。
上回らなければZEH住宅として認定を受けることはできません。
ただ、太陽光発電などのシステムが導入されていれば、そもそも光熱費の削減や補助金を受けられる可能性があるうえに、停電などの万が一の自体が起きてもいつもどおり電気を使い続けることができる、というメリットがあります。
つまり、住宅のZEH化は光熱費が大きくおさえられるだけでなく、安心で快適な暮らしを手に入れることができるところにもあります。
ZEH認定を受けることができる条件
ただ、登録したZEHビルダーやプランナーの認定を受けているハウスメーカーや工務店、エスコシステムズや建築事務所が手掛けた家しかZEH認定を受けることはできません。
そしてこの点もまた、ZEH住宅の普及がなかなか進まない大きな要因となっている部分と言われています。
(参考記事:エスコシステムズ蓄電池)
このZEHビルダーやプランナーは「ZEHロードマップ」に示された定義を満たしている企業のみが該当し、その数は年々増えてはいるもののすべてのハウスメーカーや工務店が該当するわけではありません。
また、補助金制度にはいくつかの種類があり、それぞれによって受け取れる額や採択の方式が違います。
しかも、その内容は年によっても変わってきます。
そのため、事前にその詳細をしっかりと自らの目で確認する必要があります。
さらに、補助金の申請をした後の注意点として、間取りや設備の変更が一切できない、というものがあげられます。
まとめ
これは、断熱性能やエネルギーの消費量は間取りや給湯器などの設備ひとつを変えるだけで大きく変わってきてしまうためです。
一度申請したらその内容通りに建てないと、補助金を受け取ることができません。
つまり、よくある建築申請後の間取り変更や窓の位置の変更はZEH住宅では許されません。
事前にしっかり検討してから建築に取り掛かる必要があります。