Last Updated on 2024年11月5日 by mhci
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全保連に代表される家賃保証会社について
賃貸形態のマンションや住宅への入居する際に、家主側から家賃保証会社との契約締結を契約の条件とされる場合があります。
賃貸住宅などへの入居のとき、初めて耳にする会社なので、戸惑われた経験をお持ちの方もいるでしょう。
しかし正直なところ、わざわざ保証料を支払ってまで利用する意義がどこにあるのか、いまいち理解していないことも。
そこで家賃保証会社を利用することの意義とメリット、そして利用増加に伴う今後の課題を検討していきましょう。
<リスク回避の連帯保証契約>
賃貸物件を借りて入居するときには、賃貸人の地位に立つ家主と、入居する賃借人と間で契約を結びます。
これが賃貸借契約で、契約当事者は各々契約条項に則り権利を有し義務を負う関係に立つのです。
もちろん、両者の仲介人として不動産会社などが立つこともしばしばあるものの、あくまで基本は賃貸借契約を締結することには変わりはありません。
ここで家主にとって最大の関心事は、賃借人が賃料を毎月きちんと支払われるかどうかにのは、言うまでも無いでしょう。
もちろん、入居の際には審査も行うので、賃借人の資力はある程度信用しているものの、どのようなきっかけで賃料不払いの事態に陥るとも限らないのです。
このような賃借人の賃料未払いのリスクに備えて利用されるのが、連帯保証契約です。
連帯保証人は補償対象の借主が万が一、賃料を支払うことが出来なくなった場合に、借主に代わって支払いを行うことで家主の賃料不払いのリスクを回避することを可能にする役割を担うのです。
連帯保証人が借主に代わって賃料を立て替えることを、代位弁済と言います。
代位弁済後には連帯保証人は、立替払いを行った金銭を借主に支払いを求め(求償と言います)不払い家賃の処遇は終了することになります。
<時代に即した家賃保証会社の意義>
連帯保証人になるのは、かつては借主の両親やきょうだいと言った家族が中心でした。
ところが核家族化が進み、単身世帯が増加を見せる中で、身近に連帯保証人に就任してくれる人を見つけるのが、困難な時代の到来を迎えるようになりました。
かてて加えて、連帯保証人には借主の経済状態が破綻した場合に、重い法的責任を追及される立場に立つこともあって、家族であっても必ずしも簡単に同意を得ることが難しいのが現実です。
こういった家主の賃料不払いのリスクに備えたい要請と、連帯保証人を身近に見出すことの難しい借主の事情の両者のリーズに応える形で登場したのが、家賃保証会社です。
特に2008年のリーマンショック以降は失業者増加や非正規雇用の常態化、その結果としての家賃滞納者の増加等の社会情勢の変化も手伝って、家賃保証を主業務に据える会社や、利用件数は休息に伸びています。
<全保連などの家賃保証会社を利用するメリット>
それでは家賃保証会社を利用するメリットは何処にあるのか。
家主にとっては家賃の滞納リスクを軽減させることがもちろん、最大のメリットになります。
一般人よりもはるかに資力があるので、賃料不払いの借主が出た場合でも賃料のとりっぱぐれが無いので、大きなリスクヘッジになるのです。
他方で借主にも、連帯保証人を自ら立てる手間をかけることなく、賃貸物件に入居できるメリットもあります。
とりわけ高齢者や障がい者世帯や家族と疎遠になっている単身者などには、メリットが大きいと言えます。
「連帯保証人不要」と掲げている物件では、多くの場合、このような家賃保証を業とする会社との保証契約がパックになっているのが一般的です。
しかし家賃保証会社はどちらかと言えば、貸主地震や不動産管理会社の滞納家賃の代行を行う色彩が強いので、貸主サイドの利益を重視する傾向があるのも事実です。
そのためいざ家賃滞納が発せした場合に、貸主自信が債権回収に取り組む場合に比較して、取立てが厳しくなりがちなのは否めません。
家賃滞納時の代位弁済の増加は、会社の業績に直結する課題であるだけに、場合によっては短期日の間に退去を求められることもありえるわけです。
<家賃保証会社の保証料はバラバラ>
賃貸物件に支払いを求められる保証料は、営利事業のため会社により、ばらつきが見られます。
家賃の半月分であったり、1-3万円と固定額であったり、ばらつきが見られます。
そのため事前に確認が必要なのは言うまでもありませんが、更新時に延滞賃料などが残っていると保証契約の更新に応じてもらえなくなるリスクも抱えているのは、注意しておくべき事項です。
2010年頃以降では、個人の連帯保証人を立てたにも関わらず、家賃保証会社の利用を義務付ける事例も増加の傾向を見せています。
その背景には保証会社から賃貸仲介を行う不動産会社にキックバックが支払われることが関係していると見られています。
また家賃を保証する立場からすれば、絶対に滞納しない優良借主からも保証料を徴収して、収益をあげたいとの思惑も見え隠れしているのです。
全保連などの家賃保証会社は連帯保証人を見出しにくい方でも、賃貸物件への入居を可能にするメリットがあります。
他方で取り立て方法や、不動産会社との癒着など、今後解決すべき課題も明らかになりつつあります。